俺のB面~感情の置き場~

20代のサラリーマン。問題解決が主な仕事。

ボトムアップ型組織の弱点を考えてみた

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組織論を考えるときに、トップダウン型とボトムアップ型がどちらがいいかの議論になったとき、

トップダウン型→悪

ボトムアップ型→善

という文脈で語られがちだけど、自分は一概にボトムアップ型が良いとは思わない。

 

自分が所属している組織ではボトムアップ型の意思決定体系であり、就活生向けの説明会でもそれを売りにしている。有無を言わさず上の指示を聞かなくてはいけないトップダウン型に対して、ボトムアップ型は社員1人の1人の意見が全体の方針に反映されてモチベーションが上がるというコンセプトで良いことづくめに思えるが、必ずしもそれが良いとは最近思えないような事象が身の回りでたくさん発生しているので、今回はボトムアップ型のデメリットや弱点について、扱っていきたいと思う。

 

手待ちが多く発生して非効率になる

ボトムアップ型は係長→課長代理→課長→部長と企画が上がっていくが、特に係長と課長代理レベルは部下が企画を挙げてくるまでは、特にやることがなく、明らかに手待ちが発生していて、何もタスクを抱えていない状況が目に見えてある。自分は、係長レベルで割と部下と一緒に手を動かしているが、中には部下が忙しくてもどこ吹く風で全く手を動かさない係長レベルのやつもいる。

 

仕事の負担や責任が末端に偏る

ボトムアップ型の場合、末端に近い社員は企画や発案を求められるだけではなく、従来通り、雑用をこなさなければならない。さらに企画を通すには、係長、課長代理、課長、部長の決裁を取らなくてはならず、さらにそれぞれからコピーや打ち合わせのセッティングなどの雑用を振られる。さらに企画内容によっては、イチから説明をしなくてはならず、説明コストがすごくかかる。末端になればなるほど、管理者が増え、実際、中間にいる人は、手を動かしているわけはないから、企画の内容をすぐに理解できないことも多く、好き勝手に的外れな意見を言うだけでフィードバックは大して役に立たず、正直邪魔で邪魔で仕方がないことが結構ある。事実、末端の平社員が雑用から企画、課長、部長への説明責任まですべてを負っているというケースが社内で散見される。

 

意思決定者が結果に責任を持たなくなる

各社員が責任を持って、プロジェクトを遂行するのが、ボトムアップ型の醍醐味ではあるが、そのプロジェクトがうまくいなかったとき、企画者の企画が悪かったと次は反省を生かしてもっと頑張るようにといった形で、企画者の評価が下げられ、意思決定者もどこか他人事で自分の責任と捉えていないように見える。

 

役割分担が不明確になる

ボトムアップの場合、意思決定者が大きな方針を決め(方針すら決めていないケースもある)、それぞれ意思決定者以下が議論して企画を遂行していくことになるが、明示的に指示がないため、複数人がほとんど同じ作業をしていたり、意思決定者がチームの業務分担を把握していないため、業務負担が偏っていることが往々にしてあり、意思決定者が急な仕事をお願いしなくてはいけない場面では、忙しい人に仕事がさらに振られたりすることが往々にしてある。

 

ボトムアップ型といっても業務分担の明確化と意思決定者が大方針を示すことが不可欠

部下の自主性を生かすといえば、聞こえがいいけど、要諦を抑えてなければ、逆にマネジメントの放棄になる。実際、ボトムアップ型という号令のもと、マネジメントがするべき意思決定や責任を取らず、単なる部下の企画や成果の評価者と化しているケースが散見される。ボトムアップ型といっても少なくとも、マネジメントが①業務分担の管理、②結果には意思決定者として責任を持つ、この2つがあって初めてボトムアップ型の組織が機能することを意識しなくてはならない。いや~組織論って難しい。

 

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